トラウマとは

PTSDとは、命の危険を感じたり、自分ではどうしようもない圧倒的な強い力に直面したりといった、強い恐怖感を伴う体験をした人に起きやすい症状です。

1ヶ月以上たってからも、その体験の記憶が自分の意志とは無関係に思い出され、その時と同じ感情、身体の感覚を感じたり、実際に当時の光景が見えたり、加害者がすぐ近くにいるように感じたりします。
また、自分自身の体験だけではなく、他人が死亡したり重症を負うのを目撃したりすることや近親者や親しい友人が、突然の暴力的な出来事によって死亡したり重症を負ったことを知らされることも含まれます。

あまりにも強い恐怖やショックを感じたために、その体験を落ち着いて整理することができません。そのために、非常に良く覚えている部分と、覚えていない部分が混じり合ったり、体験したこと、感じたこと、考えたことの関係が混乱したり、時間的な順序や、何が原因で結果なのかといったつながりも分からなくなります。
「いつ、どこで、どのように、なぜ起こったのか、その結果はどうなったのか」という枠組みができていませんので、大変に不安定な状態となってしまい、ふとしたことで、あるいは突然に、記憶が意識の中に侵入し、フラッシュバックや悪夢を生じます。

トラウマ体験の記憶は断片化していて、その一部を思い出すと、他の色々な断片的なイメージが次々に思い出されたり、辛い感情や考えが出てきます。あたかも常に被害が生じているように感じられますので、不安や緊張が消えることがありません。時にはこうした辛さから心を守るために、現実感がなくなり、ぼんやりとしたり、記憶の一部が飛んでしまうこともあります。
また落ち着いて記憶をふりかえって考えることができませんので、必要以上に自分を責めたり、自信を失ったり、周りの人に不信感を向けたりもします。

参考資料: 厚生労働省「みんなのメンタルヘルス総合サイト」

PTSDの主な4つの症状

・侵入症状/再体験症状
強い恐怖や無力感を体験した後で、その記憶が何度も思い出され、その場に連れ戻されたように感じ、その時と同じ感情がよみがえること

・回避/麻痺症状
記憶を思い出すきっかけとなりやすい場所や状況を避けたり、感情が極端に鈍感になることにより周りで起こっていることを人ごとのように感じたりすること

・過覚醒症状
睡眠障害、イライラ感、集中困難、過剰な警戒心、物音に過敏に反応したりすること

・気分と認知の陰性変化
持続的で過剰に否定的な信念を持つようになったり、様々なことに関心や興味を持てなくなったり、以前は楽しめていたことが楽しめなくなったり、他者から孤立していると感じたり、幸福感や優しさなどの感情が持てなくなったりすること

一般的な治療法

精神療法が心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療の中心となります。

精神療法の初期の段階ではPTSDに関する教育が重要となることがあります。PTSDの症状はとてつもなく困惑するようなものに感じられる場合があるため、PTSDではいかに無関係に思える症状がみられることがあるかを患者と愛する人たちが理解することがしばしば非常に役立ちます。

呼吸やリラクゼーションなどのストレス管理法は重要です。不安を和らげてコントロールする運動(例えばヨガや瞑想)を行うと症状が軽くなることがあり、またストレスをもたらす心的外傷の記憶にさらされることを伴う治療に患者を備えさせることができます。

現時点で最も確実性の高い科学的証拠は構造化・焦点化された 精神療法を支持しており、通常は、外傷的出来事から続く恐怖を消すのに役立つ曝露療法と呼ばれる 認知行動療法(CBT)の一種が用いられます。

より広く探索的な精神療法を行うことでも(PTSDのためにひびが入った可能性のある人間関係に焦点を合わせることなどによって)、より幸せな生活を取り戻しやすくなる場合があります。治療の焦点が曝露療法から離れない限り、他の種類の支持的精神療法や精神力動的精神療法も役立つことがあります。

他には眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR法)やブレインスポッティングなど、精神療法家の指の動きや指示棒を目で追いながら、トラウマ体験にさらされる状況を想像するよう患者に指示する治療法もあります。

薬物療法では、抗うつ薬はPTSDに対する第1選択の治療法と考えられており、 うつ病がみられない人でも第1選択となります。

参考資料:MSDマニュアル

当ルームの回復に向けたSTEP

STEP1 : 心の重荷を下ろす

まずは心の重荷を下ろしましょう。上手に話そうとしなくても大丈夫。心の赴くままに、辛かった気持ちをお話しください。

STEP2 : 体験に寄り添い、その影響を理解する

お話しをいただく中でお辛い体験に寄り添い、相談者様の日常生活にどのような影響が起きているのか?について見極めていきます。必ずしもトラウマ体験を全て話さなければならないというわけではございませんので、相談しながらセラピーを進めていきましょう。ご安心ください。

STEP3 : 心理療法と自己理解

このSTEPでは情動認知行動療法を用い、感情のクリアリングや心の本質的な欲求を自覚していただきます。その根本にはどんなスクリプトがあるのか?を様々なイメージ法を使いながら自己理解を深めていただきます。

STEP4 : 問題の解決

STEP3で自覚したスクリプトをご自身にとって適正なものに書き換えていくなど、協同作業で回復に向けて具体的に取り組んでいきます。

STEP5 : カウンセリングの終結

これまで身につけた知識やスキルそして心の変化を振り返り、何が学べたのか?これからの自分にどう生かしていくのか?をシェアし、ご自身も手ごたえを感じる中で終結の時を迎えていただきます。

よくあるご質問

情動認知行動療法とはどんなものなのですか?

情動認知行動療法とは、考え方を先に変えるのではなく「感じ方」を先に変える心理療法です。トラウマを乗り越えることを困難にさせる身体違和感を光イメージ刺激、顔表象刺激、リズム刺激、皮膚刺激などを用いて、身体良好感に変えることで、トラウマに対する「感じ方」を変え、トラウマをしなやかに乗り越えるレジリエンス(復元力)を高めて、問題の自己解決行動を促す技術を提供するものです。ストレスに伴う身体違和感を用いて問題の解決を促すので、クライアントは必ずしもトラウマについて話さなくても済むことが特徴です。  (参考資料:SAT情動認知行動療法研究所HPより)

カウンセリングを受けるのは初めてです。どのくらいのペースで受けるものなのですか?また回数はどのくらい受ければいいのですか?

相談者様のその時の状態にもよるので個人差がありますが、2週間に1回位のペースで受けられる方が多いです。回数も個人差がありますが、平均5回以上受けられる方が多いでしょうか。2~3回目で心が落ち着き、5回目辺りから新たな考え方や感じ方を獲得していかれます。

心療内科との違いを教えて下さい。

おおまかにお伝えすると、心療内科は症状を薬で抑えて楽にしていく対処療法です。対してカウンセリングはお悩みの要因や課題などに心理的アプローチで取り組んでいく根本治療です。例えば、悩んで眠れない方へのアプローチとして心療内科では眠れるように睡眠導入剤や睡眠薬を処方します。カウンセリングでは眠れなくなった要因を見極め、その問題の解決を目指します。心にお悩みを持つ方の多くは「相談できる人がいない」「誰に相談したらいいかわからない」「本や動画で情報は得たけれど、何をどうしたらいいかわからない」という方が非常に多いのが現実です。カウンセリングではお悩みをしっかりお聴きし、問題点を整理、相談者様がどうなっていきたいのか?を共有した上で、最適な心理療法を実施し、心の状態を回復へと導いていきます。

仕事帰りに受けることはできますか?

当ルームは20時半まで開室しておりますので、お仕事帰りでも受けていただけます。
また、来室が難しい時などはオンラインでも対応しておりますのでご安心ください。

カウンセリング料のお支払いにはどのようなものがありますか?

現金一括から各種クレジットカード、電子マネーまで、相談者様のニーズに応えるお支払方法をご用意しております。
ご希望に合うお支払方法をお選びください。

こころのパーソナル相談室 東京九段下カウンセリングルーム

所在地  〒102-0072
東京都千代田区飯田橋2-1-4 九段セントラルビル806号室
最寄駅 東京メトロ半蔵門線 / 東西線 / 都営新宿線 九段下駅
5番出口 徒歩3分

開室日:火・水・木・金・土・日
開室時間:11:00am~20:00pm
  ※完全ご予約制となります。
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